永久凍土であるヤクーツク市では、野菜を輸入に頼るほかない地域でした。より安心・安全な野菜を地元住民に届けるため、北海道のハウス栽培技術を輸出するプロジェクトがスタートしました。

2016年春からのプロジェクトは、ハウス建設の資材となるフィルム開発から始まりました。冬はマイナス60℃にまで下がる地域です。そのため寒暖差100℃以上に耐えられる特殊フィルムを3層にすることで断熱効果を持たせる構造にしました。また、熱源は天然ガスでお湯を沸かすことで平均20℃の維持が可能となりました。

およそ3ヵ月間でテストハウスを建設。資材、鉄骨、制御コンピューター、フィルム、技術の輸出をトータルで行いました。2016年12月には、テスト栽培用のハウス1000㎡を建設、完全水耕栽培で水分・養分をセンサーでシステム管理しています。厳冬期は日照時間が3時間程度なので、ナトリウムランプで光合成をし、 運営管理に欠かせない栽培技術をもつ人材の育成も行いました。現地から北海道へ実習生を受け入れ、今後現地で栽培していけるよう、技術指導を行いました。

2018年に第二期工事着工、栽培面積を10倍に増設。
2019年に第三期工事着工、合計32000㎡まで拡張。